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『待てよ! 唯! どこに行くつもりだ?』
 咄嗟に逃げるように駆け出したものの、足はソンウォンの方が圧倒的に早かった。十メートルも行かないうちに当然のように追いつかれてしまう。
 背後から手首を捕まれた拍子に、持っていた財布と傘が濡れたアスファルトに滑り落ちた。
 彼が手にしたブリーフケースをその辺りに投げ出すなり、両手で唯を拘束するように背後から抱きかかえてしまったので、どうにも身動きが取れなくなった。振りほどこうともがいてもまったく無駄な抵抗だ。

『痛いわ……、離して』
 とうとう呻くように声を上げたとき、ようやく気付いたように彼が手を緩めた。
『どうしたって言うんだ? いったい……』
 いぶかしげに問いかける。その声に混じる強い苛立ちにカチンと来て、唯はソンウォンの腕の中でくるりと振り向くと、強く言い返した。

『あなたこそ何よ! 出張で遅くなるって言ったくせに、どうしてテーファさんと一緒に帰ってくるの? もしかして今日ずっと一緒だったわけ?』

 彼の手にまた力がこもった。いきなり飛び出した咎めるような言葉に我ながら慌て、夫の視線を避けるようについと顔を背けた。だが、片手で顎をつかまれ、くいと持ち上げられてしまう。黒い目がじっと見おろしていた。彼女の動揺を見透かし、全てを包み込んでしまう落ち着き払った眼差し。思わず魅せられたように見つめ返してしまう。

 やがてソンウォンが『馬鹿だな……』と呟きながら手を下ろすと、唯から一歩下がった。
『ああ、そうだな。確かに今日の昼食をレストランでテーファと一緒にとったよ。久し振りに随分話もしたし、午後はずっと一緒だった』
『そ、それって……』
『何だい?』
 軽く眉を上げた彼は完全にリラックスしていた。まるでこちらの反応を楽しんでいるようだ。
『今朝言わなかったかもしれないが、今日の出張は化学事業部の方の用件だったんだ。テーファは大韓化成の内部資料を届けてくれた後、一緒に会議に参席していった。今年に入ってから彼女も向こうの経営に少しずつだが関わってきてる。長女だからね。本気になれば、それなりのポストにつくことも可能かもしれないな。キム社長の思惑はまだわからないが、少なくとも彼女はその気になりつつあるよ。……言ってなかった?』
『そんなこと全然知らなかったわ! それじゃ今もしょっちゅう会ってるってことなの? テーファさんと?』
 唯は唾を飲み込んで、まじまじと彼を見た。更なる動揺の波紋を隠そうとするが、あまりうまく行かなかったようだ。


 すぐには返事がなかった。
 彼は間を持たせたままゆっくりと腰をかがめ、先ほど唯が取り落とした財布と傘を拾い上げると、ほらっ、と目の前に差し出した。機械的に受け取りぎゅっと握り締める。
 ため息と共に、逆に問いかけられた。
『何を考えてる?』
『何って別に……何も……。そんなことより……』
 あなたこそわたしの質問に答えていないわよ、と意地悪な夫を睨みつけると、彼の口元にふっと軽い笑みが浮かんだ。
『テーファが、是非とも僕に報告したいことがあるらしかったんでね、今日は……』
 じらすように唯の反応を見ながら、彼は次の言葉を口にした。
『彼女、ずっと付き合っていた政治家の御曹司と結婚するそうだ。今度婚約式がある。ご招待いただいたよ、もちろん君も一緒にね』

 目を丸くして、唯は黙り込んだ。ほっとすると同時に疲れが三倍になったような気分で、咄嗟になんと言えばいいのかわからなくなる。
 なるほど、さっき彼女があんなにきれいに輝いて見えたのはそのせいだったのか。

 そのとき、ソンウォンが呆れ返った、と言わんばかりの声を上げた。
『それで? いったい何を考えたんだ? 僕とテーファが一緒に帰ってきたから逃げようとしたのか? また何を想像したんだ? ん?』
『お、怒らないでよ。だって……、出張でかなり遅くなるって聞いてたのにまだ10時前だし、いきなりテーファさんの車から降りてくるし……。びっくりしたんだもの』
『……ったく。こっちが君を心配してたまに早く帰ってみれば、これだからな』

 呟きと共にやれやれ、とまた大きなため息が聞こえた。
 え? と再び顔をあげた唯に、彼がすかさず畳みかける。

『今朝の君があんまり元気がなかったから、一日中気にかかって仕方なかったんだぞ! それで会議も結論を詰めるのは次回にして、そこそこで切り上げたんだ。予定を変更して、どうしても7時の飛行機に間に合うようにしたかったのさ……。さらに言わせてもらえれば、テーファはもともとその飛行機で帰る予定だった。だから同じ便でソウルに戻ってきたんだ。僕の車は大宝ビルの駐車場の中だからね。タクシーでと思ったが、彼女が送ってくれるというから、それに甘えた。以上、説明終わり! これでしっかり了解してもらえたかい、セナ・オンマ?』

 最後は思わずびくっと首をすくめるほどの勢いだった。ちょっと怒っているようにも、皮肉な冗談を言っているようにも聞こえる。朝自分が何気なく口にした言葉を、彼がそんなに気にかけてくれていたなんて……。

 嬉しい思いと申し訳ない思いがごっちゃになって、激しく決まりが悪くなった。
 おまけに『セナ・オンマ』セナのママと強調され、自分の立場を思い出せよ、と叱られているのだ。


 彼はそのまま、唯のリアクションを待っていた。
 どうしようもなくて、唯は照れ隠しのようにくすっと笑うと、夫に一歩近付いた。そのまま甘えるように、ことんと彼の胸に頭をもたせかける。こういう時は、素直に女の特権を利用するに限ると、もうわかっていた。この頑固な韓国男性の機嫌をなだめるときは、特に……。

『ごめんなさい、そんなつもりじゃなかったの。ほんとよ……』
 すまなそうに微笑んで顔を上げた途端、彼が荒っぽく覆いかぶさってきて唇を奪われていた。強引な舌先が割り入ってきて謝罪の言葉もろとも絡め取られ、それ以上何も言えなくなってしまった……。



*** *** ***



 やがて顔を上げたとき、彼は案の定くつろいでいた。
 この話はもうおしまいだ、と言うように、唯が手にした財布に目を向ける。

『こんな時間からどこに行くつもりだったんだ? 何か買い物でも?』
 唯もはたと当初の目的を思い出して、慌てた。
『そうよ! ソンウォンさん、今から何か食べたいものある? 貴方が帰ってきたら、と思ったんだけど……』
 夫が帰ってきてしまってから焦っても、すでに遅いと言うものだ。朝といい今といい、今日は要領の悪い主婦の見本のようだと、また落ち込みそうになる。
 だが彼は気にした様子もなく、唯を見てくすっと笑った。
『食べたいもの……ね。なら、わざわざ買いに行く必要はないな。もちろんあるが、それはまたあとでゆっくり貰うことにするよ。その前に……』
 さっきアスファルトに投げ出したブリーフケースを取り上げると、きびきびした口調で尋ねた。
『セナは?』
『さっき寝付いたばかりよ。今日はお義母様達にたくさん遊んでもらって疲れたみたい。ぐっすり寝てるから、少しなら大丈夫』
『それじゃ、ちょうどいい。君の車のキィ、今持ってる?』
 お店ならそんなに遠くまでいかなくても……。そう呟きながらスプリングコートのポケットに入っていた鍵を取り出すと、彼はそれを取り上げ、唯を引っ張るようにしてマンションの地下駐車場に降りて行った。



*** *** ***



『ねぇ、どこに行くの? セナが一人で……』
 車は大通りには向かわず、住宅街の方にどんどん入っていく。ちょっと驚いて尋ねると、彼がミラー越しにちらりとこちらを見た。
『さっきぐっすり眠ってるって言っただろう? そんなに遠くないよ。すぐに着くから』
 それなら、と唯も肩の力を抜いて車のシートにもたれかかった。こうして夫と二人きりで車に乗るのも久し振りだ。心なしか気分が浮き立ってくる。


 二人のマンションから十分ほど走り、レンガ造りの住宅が並ぶごみごみした細い道に入ると、やがて何の変哲もない家屋と小さな商店がひとつあるだけの袋小路に停車した。
 目の前にはコンクリートの白い階段が続いている。この階段を上ると向こうの低い丘に出るようだ。

 どうしてこんな所に? 

 近隣の人が散歩道に利用するだけの何の変哲もない場所。
 ソンウォンに促され車から降りながら、唯は訳がわからずとまどっていた。
 不思議そうに周りを見回す唯の手を取り、ソンウォンが先に立って階段を昇り始めた。途中で彼女の無言の問いに気付いたように振り返る。
『ここは会社に行く途中、通りから見える。今朝、桜が見たいって言ってただろう? この上にもあるんだ』
『え?』
『ほら……』

 階段を昇り切ると細い道が丘の散歩道へとつながっていた。そして散歩道に面したなだらかな丘の斜面一面に、今を盛りと薄紅の桜の花が、時折レンギョウの黄色い枝を交えて、数え切れないほど密集して咲き誇っている。
 暗い夜空を覆っていた雲の切れ間から、朧月がその風雅な姿を覗かせていた。下界に静かな淡い光を投げかける月明かりと、丘向こうの街の灯に照らされて、一面を覆う夜桜が、まるで春の花霞のように眼前に広がり、夜風に囁き揺れている。
 月光の下、今を盛りと満開に開いた桜の枝から、時折白い花びらがはらりと舞い落ちる。静かな夜のしじまに、それはどこか夢幻的で、郷愁を誘う光景だった。


 唯は目を見張ったまま、黙って夫に寄り添い立ちつくしていた。
 しばらくの間、二人は夜風に吹かれながら、無言で花と月を眺めていた。
 やがて唯がゆっくりと動いて桜の木々の下に立った。手を伸ばせば花枝に届きそうなのに、やっぱり届かない。
「ああ、だめね。でも本当にきれい……。すぐ近くにこんな場所があったなんて、全然知らなかったな……」
 舞い落ちてくる花びらを受け止めるように両手を広げながら、頭上一面の花を見上げる。自分が日本語で呟いていることにも気付かなかった。懐かしい記憶がおぼろげによみがえってくる。
 たしか小学生の頃にもこうやって、満開の桜の下で花びらを受け止めようとはしゃいだことがあったっけ。あれはまだ入学して間もない時だったような気がする……。
 唯は、傍らでじっと自分を見ているソンウォンを振り返った。
「連れてきてくれて、ありがとう……。こうしていると、昔を思い出すわ。なんだか随分懐かしい気がする……」
 つと、涙が一筋頬を伝い、零れ落ちていった。


『唯!』
 ふいに、ソンウォンが短く強く彼女を呼んだ。
 気が付くと、彼女は再び力強い腕の中に引き寄せられてしまっていた。彼の片手が唯をしっかりと抱かえ、もう片方の手が少し震えながらまるで彼女の存在を確認するように、ベージュのコートの輪郭を撫で下ろして行く。
「どうしたの?」 
 驚いて顔を向けると、彼のどこか切羽詰った目に合いはっとする。あっと思うまもなくまた唇が降りてきた。今度は一度ではなく、何度も何度も繰り返し口付ける……。

 次第に頭ががくらくらして、思わず彼にもたれかかった。抱き締める彼の腕に一層きつく力が込もる。
『まるで、どこかに行ってしまいそうだ。最近の君を見ていると……』

 はぁ、と小さく息を継いだあと、彼の口から出てきたのは意外な問いかけだった。
『唯……、ひょっとして日本に帰りたいんじゃないのか?』
『えっ?』
『やっぱりここよりも、日本のほうが暮らしやすいだろう? 家族も友達もキャリアも、君にとってこれまでの人生の全てが向こうにあるんだ……。当然だろうな……』
 半ば独り言のように呟き、彼は自嘲的に口元をゆがめた。
『わかってはいるんだ。だが、それでも僕は……』
 離さないと言わんばかりにしっかりと抱き締め、ソンウォンはしばらく彼女の黒髪に顔を埋めたまま、じっとしていた。

 彼の胸に押し当てた手のひらに伝わる鼓動が、一瞬不規則になったような気がする。
 あまりにも意外な言葉だった。唯は思わず夫を見上げてしまった。
 彼もまた、唯の目の奥に本心を探ろうとするように、じっと覗き込んでいたが、やがて自嘲するような低い声でこう続けた。

『もともと……、僕が強引に君をこっちに来させてしまったんだ。あのとき、すでに君のお腹にいたセナのこともあった……。君には考える時間も余地も与えなかったからな……』
『そんなことは……』
『今日、テーファからきつく忠告されたよ。日本からたった一人で、何もかも置いてやってきた君に、その状況はあんまりじゃないかってね。自分ならそんな夫、とっくに見限って出て行ってる、とまで言われてしまった……。ああ、まったく、一年中君をほったらかしてばかりで、酷いことはよくわかってるんだ。だけど仕事のことはどうしようもない。……それに……、まったく身勝手に聞こえるかもしれないが、君がそばにいないと、僕は……』

『ソンウォンさんってば! 急に何を言い出すのかと思ったら……』
 思いがけない夫の言葉とそれにもまして不安そうな口調に、唯はさらに驚きの目を見張っていた。それはいつも自信に溢れ、グループも自分もぐいぐい引っ張ってきたソンウォンからは、本当に想像もつかないような言葉だったからだ。
 咄嗟に強い否定の声をあげて遮ると、唯は安心させるように夫の首筋に手を回し彼を自分に引き寄せた。
『わたし、そんなこと考えてもいなかったわ。だってあなたの立場は、わたしにもよくわかってるもの。あなたがそんなことを考えていたなんて、全然知らなかった……。どうして、そんなふうに思ったの?』
『ここしばらく、君にあまりにも元気がなかっただろう? 口数は少ないし、日本に電話もしょっちゅう掛けてる……。いや、電話でも何でも、したいだけすればいいんだ。セナの世話だって、大変ならいくらでも人を頼めるんだぞ。まったく、君の悪い癖だ。一人で背負い込まずもっと話してほしいよ』
『だって、あなたいつだって、とても忙しいじゃない……』
『それでも、夜になれば、いつだって君の隣にいるだろう!』

 もう何も言えなくなってしまった。本当に泣いてしまいそうだ。
 夢中で、彼の頬に頬をぴたりと重ねて目を閉じた。暖かいぬくもりが伝わってくる。
 そのまま両腕で彼を包み込むと、彼も心からほっとしたように身体を震わせるのを感じた。

 そのとき、ようやくわかったような気がした……。

 ああ、この人も普通の男の人なんだ……。
 そう……。おそらく、他の人の前では決して見せはしないだろうけど……。

 日頃の自信に満ちた態度の裏で、彼もやはり迷いもするし不安にもなる。時には傷つきもするのだ。
 そんな至極当たり前の事実に、今更ながら気付かされ、そのことに強い安堵感さえ感じていた。

 そして同時に、改めて思い出す。
 この人がここにいるから、わたしもまたここにいるのだ……と。

 心に、夫への愛が一層強くこみ上げてくる。彼に回した手にきゅっと力を込めると、彼が顔を上げた。指先で彼女の顔の輪郭を辿りながら、まだ少し心配そうに尋ねる。
『さっきは、どうして泣いたりした?』
『……ただ、嬉しかったからよ。あなたの気持がかなり効いたみたい……。それからね、ソンウォンさん。あなたわたしのことでは、一番大事な点を勘違いしてるわ。ほんとに知らなかったの?』
 こう言いながら、唯は明るく笑いかけた。
『わたしがここにいるのは、セナのためでも、他に選択の余地がなかったからでもないわよ。決まってるでしょう? わたしがここに来ようと思ったのは、あなたがここにいるから。あなたと一緒にいたかったから。あなたをいつも見ていたいから……。そんなの一番初めにプロポーズしてくれたときからよ。それ以外の理由なんか一つもなかったわ。それにね……』

 背伸びして、彼の唇にそっとキスを置いてから、優しく付け加える。

『あなたがそばにいないとダメなのは、わたしも同じよ。日本にも、あなたと取り替えたいものなんか何もないわ。ね? わかった? よーく覚えておいて』
『まったく……、君ときたら……』
 目を丸くして唯を見ていたソンウォンが、一瞬頭上を仰いで目を閉じ、ふー、と深い深い吐息をついた。
 その目の奥に宿っていた蔭りが、次第に強い歓びの色に変っていくのを、唯は微笑を浮かべて見つめていた。
『酷いな。それこそ結婚して以来、初めて聞くじゃないか。こっちの気も知らないで、よくも今まで黙っていたもんだ……』
『だって、あなたこそ今まで、一度も聞かなかったじゃない』
 澄まして答える唯に、彼も思わず苦笑する。


『これはこっちの貸し、だな』
 いきなりソンウォンは唯の手を掴むと、もと来た道をずんずん戻りはじめた。小走りになった唯が慌てて、帰るの? と問うと、そうさ、と目を細め、皮肉たっぷりにちらっと振り返る。
『これは、今すぐ十倍にして返して貰わないとね。幸い明日は休日だ。今夜こそセナが泣こうが、絶対に逃がさないから覚悟しろよ』
『え? は? な、何冗談言って……』
 どぎまぎする唯に、彼はにやりと意地悪く笑いかけた。
『冗談かどうかは……、君にもすぐわかるさ』



*** *** ***



 そう……。いつだって言ったことを実行するのよ、この人は……。

 それから2時間後の深夜。
 自宅の大きなベッドにソンウォンと寄り添って横たわり、唯はつくづく思っていた。

 たった今、二人はその夜二度目の絶頂に達したばかりだった。互いの情熱を思う様ぶつけ合い、激しく愛しあった余韻に、まだ身体が小刻みに震えている。
 一糸まとわぬ裸身を惜しげもなく夫の目にさらしたまま、唯は彼の肩にぐったりと頭を預けていた。文字通り、全身の力を使い果たしてしまった。これほど強烈なクライマックスは久し振りだ。今は何があっても動けそうにない。
 白い素肌のいたるところ、舞い散ったばかりの桜の花びらのような徴が刻み込まれている。
 今も大きな手が我が物顔に豊かな乳房を覆っていた。

ふと、唯が困ったように霞みがかった瞳を上げた。
『セナが泣いてるわ……』
『……どうやら、そうみたいだな』
 物憂げに呟き、彼はようやく唯を離すと起き上がった。
 いいからここに居ろよ、と笑いながら、ジーンズに足を通している。

 突然、抗議するように強い声で泣きはじめた娘の様子を見に、部屋から出て行く夫のたくましい背中を見送りながら、唯は心からの幸せを噛み締めていた。


〜〜 FIN 〜〜



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patipati
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